財布もアップルウォッチも忘れた時の解決策はコレだ!iPhoneに2枚目のSuicaを追加すればOK

財布もアップルウォッチも忘れた時の解決策はコレだ!iPhoneに2枚目のSuicaを追加すればすぐに使えた モバイル

本記事で言及する「Suica」はカード型ではなく、モバイル端末で使える「モバイルSuica」のことを指しているので、それを前提に読んで欲しい。

Appleが開発した腕時計型のスマートウォッチ『Apple Watch(アップルウォッチ)』が登場してから今年で10年が経つ。

Appleの腕時計型スマートウォッチ『Apple Watch(アップルウォッチ)』
もはや手放せない

アップルウォッチはiPhoneと連携することで様々な機能を利用できるデバイスで、電話の着信やLINEの通知を確認したり、運動量や睡眠時間の測定をしたりと、日々の生活を便利にしてくれる。

特にキャッシュレス決済は便利だ。私はアップルウォッチにクレジットカードやSuica、PASMOを登録してからというもの、旅行に出かける時以外は現金や財布を持ち歩かなくなってしまった。

アップルウォッチを家に忘れた

しかし、便利すぎるがゆえに、アップルウォッチを家に置き忘れてしまった場合は、外出先で不自由が生じてしまう。それを身に沁みて実感したのが、先日、最寄りの駅に着いてiPhoneしか持っていないことに気づいた時だ。

モバイルSuicaが使えるApple Watch(アップルウォッチ)
家に忘れてしまった

まずい、どうする。急いで家に取りに帰るか。いや、それでも往復で20分はロスしてしまうので、予定の時間には間に合わないだろう。遅くとも5分後くらいには電車に乗らなければならない。スマホしか持っていないピンチの状況下で、パッと頭に浮かんだ策は以下の3つだ。

A. SuicaをiPhoneに戻す
B. iPhoneを使ってATMで現金を引き出す
C. iPhoneに2枚目のSuicaを追加する

対策A. SuicaをiPhoneに戻す

モバイルSuicaを始めとするスマホ向けの乗車券は、基本的に1枚につき1台の端末でしか利用することができない仕組みになっている。そのため、iPhoneに追加したSuicaをアップルウォッチで使えるようにする(=移行・転送する)と、元のiPhoneでは使えなくなってしまうのだ。

Apple Watchで有効にしているモバイルSuicaには時計が表示される
Suicaアプリでは時計マークが表示される

しかし、移行したSuicaをiPhoneに戻すことはできたはず。それができれば手っ取り早い。そこで急いでやり方を調べてみると、移行手続きを承認する最終段階で、アップルウォッチ本体が手元にないと戻せないことが判明。アップルウォッチはお家にあるので残念ながらこの案は消えた。この時点ですでに2分経過。

対策B. コンビニのスマホATMで現金を引き出す

続いて頭をよぎったのは「スマホATM」の存在だ。スマホATMとは、コンビニのセブンイレブンとローソンの店内に設置されているATMで、自分の銀行口座からスマートフォンを使って現金を引き出せるサービスのことだ。

スマホがあれば現金を引き出せる「スマホATM」
sevenbank.co.jpより

銀行のアプリでATMのQRコードを読みとることで、キャッシュカードを持っていなくても現金の入金・出金ができる。

しかし、最寄り駅前にあるコンビニは悲しいかなファミリーマートのみ。セブンイレブンとローソンは少し離れた場所にあるので、時間的に間に合うかぎりぎりだ。もし先にATMを使っている人がいたら間に合わない可能性が高いため、この案も10秒ほどで却下した。

ちなみに、セブンイレブンとローソンの「スマホATM」に対応している銀行は、それぞれ以下のとおり。

セブンイレブン

熊本銀行、山陰合同銀行、あおぞらネット銀行、四国銀行、島根銀行、十八親和銀行、住信SBIネット銀行、セブン銀行、トマト銀行、南都銀行、西日本シティ銀行、福井銀行、福岡銀行、福島銀行、BANCO DO BRASIL、PayPay銀行、Minna no Ginko、UI銀行

ローソン

auじぶん銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、島根銀行、福島銀行、UI銀行

両方のコンビニに対応しているのは「住信SBIネット銀行」「PayPay銀行」「島根銀行」「福島銀行」「UI銀行」の4行。いずれもオンラインで口座を開設できるが、銀行によっては初回登録が必要な場合もあるため、事前に使えるようにしておくといざという時に役立つだろう。

対策C. iPhoneに2枚目のSuicaを追加する【←採用】

結果的に、今回選択したのはiPhoneに新しいSuicaを追加する方法だ。実はiPhoneには複数のSuicaを追加できる。Apple Pay(アップルペイ)に支払い用のクレジットカードが登録してあれば、その場ですぐにSuicaを新規発行して利用できるのだ。

Apple Payにクレジットカードを登録する画面
Apple Payにクレカを登録しておこう

ここからはモバイルSuicaの追加手順を具体的に紹介していく。

iPhoneでSuicaを新規発行する方法は、Walletアプリから登録する場合と、Suicaアプリから登録する場合の2通りある。1秒でも早く新しいSuicaを使えるようにしたい場合は、Suicaの名称を入力する手間がないWalletアプリから登録するのがおすすめだ(注)。

WalletアプリでSuicaを追加する手順

iPhoneのWalletアプリに新しいSuicaを追加する流れは以下のとおりだ。

1.Walletアプリを起動
2.右上にある+マークをタップ
3.「交通系ICカード」をタップ
4.「Suica」をタップ
5.「続ける」をタップ
6.金額を入力して追加をタップ
ダブルクリックで支払い

iPhoneのwalletアプリ画面
+マークをタップ
iPhoneのwalletアプリで「ウォレットに追加」する画面
交通系ICカードをタップ
iPhoneのwalletアプリで「交通系ICカードを追加」する画面
Suicaをタップ
iPhoneのwalletアプリで「モバイルSuicaを追加」する画面
続けるをタップ
iPhoneのwalletアプリで「モバイルSuicaに金額をチャージ」する画面
金額を選択して追加
iPhoneのwalletアプリで「チャージ金額を決済」する画面
Apple Payで支払う

SuicaアプリでSuicaを追加する手順

iPhoneのSuicaアプリに新しいSuicaを追加する流れは以下のとおりだ。

1.Suicaアプリを起動
2.右上にある+マークをタップ
3.My Suica(記名式)の「発行手続き」をタップ
4.Suicaの名称を入力して次へをタップ
5.チャージ金額を選ぶ
6.ApplePay でチャージする

iPhoneのSuicaアプリにあるSuica一覧画面
+マークをタップ
iPhoneのSuicaアプリで「My Suica(記名式)を発行」する画面
My Suica(記名式)の発行手続きをタップ
iPhoneのSuicaアプリで「Suicaの名称を入力」する画面
Suicaの名称を入力して次へ
iPhoneのSuicaアプリで「チャージ金額を選択」する画面
チャージで「金額を選ぶ」をタップ
iPhoneのSuicaアプリで「Apple Payでチャージする」する画面
Apple Payでチャージ

この手順はモバイルSuica会員でない場合、追加作業の途中でモバイルSuicaの会員登録が必要になるので、その分時間がかかってしまうことを留意しておこう。

モバイルSuicaは無記名・記名式どっちが良い?

モバイルSuicaには、カード型Suicaと同じように「無記名Suica」と「記名式Suica」が存在する。「無記名Suica」は発行手続きが簡易なこと以外にメリットがないので、基本は「記名式Suica」を選んだほうが良いだろう。

無記名Suicaのメリット・デメリット

無記名のSuicaとは、個人情報と紐づかないタイプのSuicaのことだ。言わば匿名式Suicaのようなもので、モバイルSuicaの会員でなくてもすぐに発行できる反面、iPhoneが紛失・盗難・故障などした時に利用を停止したり再発行したりできないほか、JR東日本のポイント「JRE POINT」も還元されない。

WalletアプリからSuicaを追加すると初回はこの無記名タイプになる。ただし、同一のiPhone端末で一度でも記名式Suicaを発行したことがある場合、それ以降に追加するSuicaはすべて記名式タイプになる。つまり、記名式Suicaを作る前のタイミングでしか無記名Suicaは作れないのだ。

iPhoneのSuicaアプリで「無記名Suicaを発行できない」画面イメージ
Suicaアプリで無記名Suicaを発行できない例

記名式Suicaののメリット・デメリット

記名式のSuicaとは、発行と同時に名前・生年月日・性別などの個人情報が自動的に紐づくタイプのSuicaだ。モバイルSuicaの会員であることが発行条件となるため、会員でない場合は初回の追加手続きに少し時間がかかってしまうが、使用途中での利用停止や再発行手続き、ポイントの還元も受けられるなど様々なメリットがある。

SuicaアプリからSuicaを追加すると初期状態ではこの記名式Suicaとなるが、過去に無記名のSuicaを作ったことがなければ、無記名Suicaを選択して発行することもできる。

無記名Suica記名式Suica
モバイルSuica会員登録不要必要
利用停止・再発行不可可能
JRE ポイント還元なしあり

私は過去にiPhoneで記名式Suicaを発行したことがあるため、Walletアプリを使ってSuicaを発行しても「記名式Suica」として追加された。Walletアプリを起動してから追加完了するまでにかかった時間はわずか30秒ほどだ。

iPhoneに2枚目のモバイルSuicaを追加完了した画面イメージ
さくっと追加できた

FAQ

最後に、モバイルSuicaの追加方法や仕様などについて、読者が疑問に思いそうな事項をピックアップしてみたので参考にしてみてほしい。

iPhoneとアップルウォッチの両方でSuicaを使える?

使える。ただしSuica1枚につき1台の端末でしか使えないので、「iPhone用のSuica」「アップルウォッチ用のSuica」をそれぞれ登録しておけば、どちらの端末でもSuicaを使うことができる。

iPhoneに追加した無記名Suicaを記名式に変更できる?

できる。Suicaアプリのトップ画面から「チケット購入Suica管理」>「Suicaの名称変更」に移動して名称を変えると、自動的に記名式Suicaに変更される。

無記名Suicaと記名式Suicaの見分け方は?

iPhoneに追加したモバイルSuicaの無記名・記名式を見分けるには、SuicaアプリのSuica一覧画面から確認できる(Walletアプリで追加したSuicaもこの画面に表示される)。カード面の中央に何も書かれていないのが無記名Suica、何か文字が書かれている場合は記名式Suicaだ。

無記名モバイルSuicaと、記名式モバイルSuicaの見分け方
ここに文字があれば記名式Suica

または、Walletアプリ>Suicaカード>右上の三点リーダー>カード番号>氏名の欄に名前が表示されていれば記名式Suicaだ。

モバイルSuicaは24時間いつでも新規発行できる?

午前2時〜午前4時の間はシステムメンテナンス中のため発行することができない。

複数のモバイルSuicaを統合できる?

できない。すでに発行したモバイルSuicaを減らしたい場合は、チャージした金額をなるべく使い切ってから削除するしかない。

PASMOやICOCAもiPhoneに複数追加できる?

できる。Walletアプリ・PASMOアプリ・ICOCAアプリを使えば、Suicaと同じようなやり方で複数枚追加することが可能だ。もちろんアップルウォッチとiPhoneに1枚ずつ入れて両端末で使えるようにすることもできる。

Suica、PASMO、ICOCAは何枚までiPhoneに追加できる?

まず前提としてWalletアプリから追加する場合、iPhone7以前の端末は一台につき最大8枚、iPhone8以降の端末は一台につき最大12枚のカード(クレジットカード、交通系ICカード、電子マネー)を追加できる。SuicaとICOCAはその範囲内であれば何枚でも作成可能。PASMOは端末ベースではなく、1つのAppleアカウントに対して最大4枚まで作成できる。また、Suica・PASMO・ICOCAの各アプリから追加する場合は、それぞれ一定の上限設定が設けられている。

ひとつのiPhoneにSuica、PASMO、ICOCAを全部追加できる?

できる。Suica、PASMO、ICOCAにそれぞれ金額をチャージしておけば、用途に応じて交通系電子マネーを使い分けることも可能だ。

AndroidスマホでもSuicaを追加できる?

できる。Androidの場合はモバイルSuicaアプリで複数枚のSuicaを追加できる。また、Google Payアプリでも1枚のみSuicaを追加できる。

まとめ

こうして当時の様子を振り返ってみると、アップルウォッチを忘れたことに気づいてから、問題が解決するまでに要した時間は約3分。iPhoneに新しいSuicaを追加して無事電車に乗車することができたので、予定時間に遅れることなく目的地に到着することができた。

しかし、できれば外出先でバタバタするような事態には、なるべく陥りたくないものだ。iPhoneとアップルウォッチで別々のSuicaを使えるようにしておけば、どちらか片方しか持っていない時でも電車やバスに乗れるし、お店のレジでも決済することができるので、Suicaの2枚使いを強くお勧めしたいと思う。

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