カミソリに比べて肌への負担が少なく、手軽にヒゲを剃ることができるメンズシェーバー。

以前まではブラウン(BRAUN)のシリーズ9を愛用していたのだが、ヘッドの部分を洗ってしばらく放置しておいたところ、いつの間にか紛失してしまった。本体は無事だったので替刃だけ購入しようと思い調べてみると、どうやら単品で1万円以上するらしい。それだったら買い替えたほうが良さそうだということで、新しいメンズシェーバーを探すことにした。
条件としては、深剃り+丸洗いできて、2万円台前半といったところ。剃った後のヒリヒリ感もなるべく抑えたいが、これは肌やヒゲの質によって感じ方が異なるので実際に使ってみないと分からない。色々なサイトでヒゲが濃そうな人のレビューを読み漁った結果、ラムダッシュ(LAMDASH)のコスパが良さそうだったので買ってみることにした。
長らくブラウンを使っていたので、いちど別のメーカー品を使ってみたかったというのもあるかもしれない。
ラムダッシュ『ES-NLV68-K』
ラムダッシュはパナソニックが展開しているメンズシェーバーのブランド。購入したのは『ES-NLV68-K』というモデルだ。

見た目は新しそうに見えるがPanasonicの公式HPには載っていなかった。詳しく調べてみると、どうやら2022年に発売された製品らしい。もう製造していないのかもしれないが、Amazonや楽天などでは普通に販売されている。
価格は洗浄充電器なしのモデルが20,950円、洗浄充電器付きのモデルだと23,000円ほどだ。私は昨年のブラックフライデーで16,800円で手に入れることができた。新製品にこだわりがなければ型落ちモデルを狙うと良いかもしれない。
内容物
Amazonから届いた袋を開けると、中にはダンボール素材のパッケージがひとつ入っていた。

内容物はシェーバー本体+ヘッドの他に、充電器、ブラシ、オイル、専用ポーチが付属。ヘッドには保護カバーが付いているので、出張や旅行などでカバンの中に入れて持ち運ぶ時も刃の部分を守ってくれそうだ。




デザイン
色は全体的に落ち着いたブラックカラーで統一されているが、ヘッドのロゴと下部がゴールドで塗装されていて、ちょっとしたアクセントになっている。


地味すぎず派手すぎず、どんなバスルームや洗面台にも馴染みそうなデザインだ。
私はメンズシェーバーをお風呂場でしか使わないので、正直デザインは気にならないのだが、ダサいよりかはもちろんカッコいい方が良い。特に買ったばかりの製品を開封する時はワクワク感を楽しみたいものだ。その点、このシェーバーは手に取ってがっかりするような感じもなく、そこそこスタイリッシュなデザインに仕上げられているのではないだろうか。

使い方
ES-NLV68-Kの操作方法はシンプルで、本体中央に配置された電源ボタンを押すとすぐに起動する。あとはヘッド部分を肌に当てて滑らせるだけ。複雑な準備や手順は一切なく誰でも直感的に使えるため、忙しい朝のヒゲ剃りにぴったりだ。

電源ボタンが一個しかなくシンプルな操作性だが、実は背面に剃り方を変えるためのスイッチが用意されている。

デフォルトでは「FREE」にセットされているが、これはヘッド部分が動く状態を表している。後述するが、このシェーバーはヘッド部分が顔の凹凸に合わせてグラグラと可動する構造になっており、それによって肌に密着して剃り残しのないシェービングを実現している。しかし、逆にそれが扱いづらいと感じることもあるかもしれない。
そんな場合は、このスイッチを一段階上にスライドすると「LOCKモード」に切り替わり、ヘッド部分の動きを固定してくれる。

部位によっては剃にくいと感じた場合はこの機能を試してみるとよいだろう。
さらにもう一段階上にスライドすると、櫛のようなマークの「トリマーモード」に切り替わり、同時にヘッド部分の背面に埋め込まれているトリマー刃が立ち上がる。

これは別名「キワゾリ刃」とも呼ばれる刃で、ヒゲを剃るのではなく短くカットするためにある刃だ。
もみあげ、鼻の下、アゴの下など、少し長い毛の長さを短く刈り揃えたい場合などに有効で、小型のバリカンのような役割を果たしてくれる。深剃り機能と短くカットする機能を使い分けることで、ヒゲを好みの形に整えることができるのだ。
使用中に剃り味が落ちたりヒゲが詰まってきたと感じたら、ヘッド部分を取り外して剃り刃を洗えるようになっている。ヘッドの取り外し方も簡単で、両サイドにあるツメを同時にぐっと押し込むだけ。


反対に取り付ける時は元の位置に重ね合わせて押し込めばOK。慣れれば片手だけで素早く脱着することも可能だ。
シェービングが終わった後は衛生面や刃の切れ味を保つため、剃り刃の洗浄と注油を忘れずに行うようにしよう。
本体の充電は付属の専用充電器を使って行う。USB-C端子に対応していない点は惜しいが、プラグを差し込むだけで簡単に充電可能だ。充電を開始すると本体のランプが点灯し、約1時間でフル充電できる。充電が完了するとランプが消灯するのでアダプターを抜くタイミングも分かりやすい。

使用感
さて、実際に使ってみた感想だが、冒頭に述べた「深剃り+丸洗いできて、2万円台前半」という条件をクリアしているので概ね満足している。それに加えて、印象に残っている点がいくつかあるので詳しく書いておきたい。
具体的には「剃り心地」「音の大きさ」「洗いやすさ」「電池の持ち具合」の4点だ。
剃り心地
このシェーバには、ヒゲの根本からしっかりとカットしてくれる「フィニッシュ刃」をはじめとして、鋭角に研がれた「30°ナノエッジ内刃」、寝たヒゲをすくい上げる「くせヒゲリフト刃」、長く伸びたヒゲをスムーズに剃る「クイックスリット刃」といった4種の刃が内蔵されており、さまざまなヒゲの状態に柔軟に対応してくれる。

さらに、ヘッド部分は上下・左右・前後に可動する「3Dアクティブサスペンション構造」が採用されており、頬やアゴのカーブにも自然とフィットする。
実際に使ってみると肌触りがとてもソフトで、撫でるようにヒゲが剃れていく感覚がある。特に、あごやフェイスラインといった骨格の立体感が強い箇所でも、ヘッドがしなやかに動きながらフィットし、スムーズにヒゲを剃り上げてくれる。剃り終わった後の肌はスベスベで、剃り残しのない仕上がりを実感できている。
音の大きさ
稼働中はわりと高めのモーター音が鳴り響くのだが、シェーバーの音としては許容範囲といった感じだ。私のようにお風呂場でシャワーを浴びながら剃るのであればまったく問題ないと思うが、家族が眠っている部屋の近くで剃るといったような場合には気になるかもしれない。電源をONにした時の動画を乗せておくので参考にして欲しい。
Panasonicのメンズシェーバー、ラムダッシュ『ES-NLV68-K』の動作音 pic.twitter.com/VeZWQUL1oR
— トウカイドー (@53log_com) April 29, 2025
洗いやすさ
洗いやすさについては申し分ない。私の場合はヘッド部分をワンタッチで取り外したら、シャワーの水圧をMAXにして当てるようにしている。丸ごと洗い終わるのに10秒もかからない。


本当は付属のブラシを使って丁寧にヒゲくずを取り除くと良いのだが地味に面倒だし、そこまでしなくても十分きれいになっている実感があるので、今のところは洗い流すだけで済ましている。
電池の持ち
『ES-NLV68-K』はコンセントに繋いだままでは稼働できないシェーバーのため、ヒゲを剃る時には少なからず充電が残っている状態にしておく必要がある。
すると気になるのは電池の持ち具合だが、説明書によると、1回のシェービング時間が3分程度であれば、フル充電の状態で約2週間使用することができる。使い終わった後にいちいち充電しなくて良いのはかなり快適だ。

また、うっかり充電を忘れて電力残量がゼロになってしまった場合でも、3分間充電すれば1回分をクイックチャージすることができるので、そこまで困ることはないだろう。
ブラウンとの比較
日本ではメンズシェーバーといえば、ラムダッシュとブラウンが2大ブランドだ。
私も買い替える時にどちらにするか迷ったのだが、今回購入したラムダッシュ『ES-NLV68-K』と、以前使っていたブラウンのシリーズ9(最上位機種)の使用感を比較してみると、実はそこまで大きく変わった感じはしていない。

価格的にはもちろんシリーズ9の方が高いのだが、なにぶん購入した時期が古い(10年近く前かもしれない)。昔の高価格モデルと近年の標準モデルを比べると、性能的には大差がないのだろう。むしろ逆転している可能性すらありそうだ。
そう考えると、古いモデルから買い替える場合は、ブラウン・ラムダッシュのどちらを選んでも損はなさそうだ。むしろブランド名にこだわるよりも、「どのモデルにするか」の方が重要かもしれない。
ラムダッシュの種類
ちなみに現在ラムダッシュは4種類のシリーズ『ラムダッシュPRO6』『ラムダッシュPRO5』『ラムダッシュ3』『ラムダッシュパームイン』を展開している。
基本的には刃の枚数が多いほどハイエンドなシリーズで、6枚刃>5枚刃>3枚刃といったランク付けだ。シェーバーの形状はほとんど同じだが、パームインだけ特殊なコンパクトモデルになっている。
・ラムダッシュPRO6:6枚刃
・ラムダッシュPRO5:5枚刃
・ラムダッシュ3:3枚刃
・ラムダッシュパームイン:5枚刃
各シリーズの大きな違いは刃の枚数にあるが、「ラムダッシュPRO6」「ラムダッシュPRO5」には「AIナビ」という機能が搭載されている。これはヒゲの濃さに合わせてシェービングを最適なパワーに自動制御してくれる機能で、BOOSTモードの時はオレンジ色の光で、SOFTモードの時は白色の光でリアルタイムに教えてくれるというものだ。
さらに各シリーズには、それぞれ3段階のグレードに分かれたモデルが用意されており、以下のような構成となっている。
ラムダッシュPRO6(6枚刃)
└トップグレード、ハイグレード、スタンダード
ラムダッシュPRO5(5枚刃)
└トップグレード、ハイグレード、スタンダード
ラムダッシュ3(3枚刃)
└トップグレード、ハイグレード、ベーシック
これだけ選択肢があると商品選びに迷ってしまう要因にもなりかねないが、各グレードの違いは機能や付属品の有無などによって異なるので、逆に言えばニーズに合わせて選びやすいと言えるかもしれない。詳細は公式サイトの選び方ガイドが視覚的に分かりやすい。
ラムダッシュブランドの製品は以上だが、Panasonicからは他にもエントリーシェーバー(3枚刃)というシリーズが出ている。こちらは定価が数千円でかつコンパクトなサイズ感のため、これから初めて電気シェーバーを使う人は候補に含めてみるとよいだろう。
メンズシェーバーの選び方
ラムダッシュのシリーズラインナップは上で述べたとおりだが、たくさんあるモデルの中からどうやって選んだら良いのか迷う人も少なくないだろう。そこで、一般的なメンズシェーバーの選び方についても触れておきたい。
刃の枚数
まずは刃の枚数を決めるのが手っ取り早い。基本的には刃の枚数が多いほど一度に広い面を剃ることができ、深剃り性能も高くなる傾向にある。6枚刃が最上位シリーズなのはそのためだ。ただし、刃の枚数が多いほどヘッドが大きくなり肌への接触面積も増えるため、敏感肌の人には負担を感じやすくなるかもしれない。その逆の性質を持つのが3枚刃で、中間が5枚刃とイメージすると分かりやすいだろう。
お風呂剃り(防水仕様)
個人的にはこれが最も重視している機能だ。防水仕様のメンズシェーバーを使ってお風呂場でヒゲを剃れば、剃った時に散らかったヒゲを簡単に洗い流せるし、使い終わったシェーバーも丸ごと水洗いできる。つまり掃除とメンテナンスを一気に行えるというわけだ。この利便性はヒゲを剃る頻度が高ければ高いほど実感できるだろう。
自動洗浄機能
電気シェーバーの内部には細かなヒゲが溜まりやすく、定期的に洗わないと不衛生で悪臭を放つもとになる。自動洗浄充電器が付属するモデルの場合は、ヒゲ剃りが終わったあと充電器に置くだけでヘッド部分を自動洗浄してくれる。
一見すると便利なように思えるがそうとも言い切れない。なぜなら、専用の洗浄液を入れる→交換する→買い足すといったサイクルが発生するほか、洗浄充電器自体の掃除も必要になってくる。それならばシェーバーを自分の手でさっと洗った方が個人的には楽だ。また、洗浄充電器の置き場所を確保しなければならないのも生活環境によっては苦労するかもしれない。
充電タイプ
メンズシェーバーの充電タイプは使用する前に充電が必要な「充電式」、電源コードを挿したままでも使える「充電交流式」、充電不要で乾電池さえあればすぐに使用できる「乾電池式」がある。充電式は防水仕様だが充電中には剃れない、充電交流式は防水仕様でないけれど充電中でも剃れる、乾電池式はコンパクトで持ち運びやすいといった特徴があるので、用途に合わせて選ぶとよいだろう。
FAQ
その他、読者が疑問に思いそうな事項をピックアップしてみたので参考にしてみてほしい。
フル充電にかかる時間は?
約1時間
フル充電でどれくらい使用できる?
約2週間(1回のシェービング時間を約3分と仮定した場合)
刃の交換目安は?
ヘッド側についている外刃は約1年、シェーバー本体側についている内刃は約2年ごとに交換することが推奨されている。
替刃は購入できる?
Panasonicの公式サイトで販売されている。『ES-NLV68-K』の刃は外刃と内刃で構成されているが、どちらか片方だけ購入することもできるし、セットで購入することもできる。セットだと550円安く買えるようだ。
<外刃>品番:ES9173/6,050円
<内刃>品番:ES9170/2,970円
<セット刃>品番:ES9032/8,470円
防水レベルは?
IPX7基準(水深1メートルの位置で30分間沈めても内部に水が侵入しない)検査をクリアしているため、シェーバー本体およびヘッド部分は丸ごと水洗いすることができる。ただし、付属の充電器は防水仕様の対象外となっている。
海外でも使える?
『ES-NLV68-K』は100-240V対応のA型プラグを採用しているため、A型プラグのコンセントなら使える。A型プラグ以外のコンセントの場合はプラグ変換アダプターが必要になる。
まとめ
ラムダッシュ『ES-NLV68-K』は、剃り心地・使い勝手・メンテナンス性・価格のバランスに優れたメンズシェーバーだ。一言でいうとコスパが良い。

2万円前後で深剃り&防水性能のあるシェーバーを探している人にはマッチするだろう。また、これまでブラウンなど別ブランドのシェーバーを使ってきたけれど、違うメーカーを試してみたい人にも使いやすいモデルではないかと思う。
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