最近、寝室のシーリングライトを音声操作ができるものへと買い替えた。
設置や設定に少し手間取ることがあったものの、その後使ってみて結構満足しているので、製品選びや導入手順、使用感などを書いておきたい。

<導入前>
導入経緯
寝室でゴロゴロしながらスマホをいじっていると、心地よい眠気に誘われて、そのまま寝てしまいたい時がよくある。そんな時、照明のリモコンが手元に見当たらないと、壁のスイッチをオフにするため、いちいち立ち上がらなければならない。それが結構煩わしく感じるようになってきたので、寝転んだまま音声操作できるシーリングライトに変えたいと思ったのが導入のきっかけだ。
音声操作の仕組み
シーリングライトを音声で操作するには基本、Amazon EchoやGoogle Homeなどの音声操作機能を備えたスマートスピーカーと、それに対応したシーリングライトを無線LANで接続してコントロールする形になる。

例外として、無線LANに接続しなくても音声操作ができるシーリングライトがアイリスオーヤマから発売されているが、こちらは音声操作を開始するたびシーリングライトに「アイリス」と話しかけなければならないようなので却下した。
シーリングライト選び
筆者は以前からリビングにAmazon Echoを置いて、音声サービスのAlexa(アレクサ)に天気を聞いたりタイマーとして使っていたので、今回もAlexa対応のシーリングライトを探すことにした。Alexa対応のシーリングライトはAmazonで検索するとたくさん出てくるが、聞いたことのないメーカーの製品が多い。日本国内の企業ではPanasonic、アイリスオーヤマ、HotaluX(ホタルクス)などのメーカーから発売されている。
最初は国産メーカーの製品にしようかと思ったのだが、Alexaに対応した家電製品の中には専用アプリが用意されていて、音声だけでなくスマホから操作できることもある。そのため、ソフトウェアの開発力に優れたメーカーのシーリングライトを選んだ方が使い勝手が良いのではないか。その点で、候補に上がってきたのがスイッチボット(SWITCHBOT)社のシーリングライトだ。
シーリングライトの落下事故
スイッチボットは2015年に中国の深圳で創業したスマートホームデバイスのブランドだ。
家電や照明などのスイッチを遠隔操作したり、タイマーやセンサー機能を活用したりすることで、自宅をスマートホーム化できる様々なデバイスを開発している。

筆者はスイッチボット社の室内カメラを使用していたことがあり、アプリとの連携や使いやすさに満足していたので、その流れでシーリングライトの導入にも前向きだった。ところが、2024年9月以降、SNSのX上で「スイッチボットのシーリングライトが落下した」という内容の投稿が相次ぎ、スイッチボット社が調査を行う事態に発展していた。
その後、該当製品と落下原因が明らかにされ、対象者には補強用のプレートを無償配布することが発表されているため、現在は問題ないのかもしれない。しかし、天井からシーリングライトが落下する事案が複数あったことは事実であり、自分が夜寝ている時に落ちてきたら…と思うと不安だ。ソフトウェアの開発力はスイッチボット社の方が優れていると思うが、ハード面の安全性なら国内メーカーの方が高いのではないか。
<導入製品>
HotaluXのシーリングライトを購入
ということで、最終的には国産メーカーの中では安価なHotaluX(ホタルクス)社の『HLDZ06L259』というシーリングライトを購入することにした。HotaluXはもともとNECホームエレクトロニクスという社名で、1990年代まではNECグループに所属していた。その後、分離・独立を経て2023年に人材派遣やメンテナンスサービスなどを手掛けるウイルテック社によって完全子会社化された国内メーカーだ。

シーリングライトの本体と付属品
ここからはシーリングライト『HLDZ06L259』について解説をしていく。HotaluXから発売されているこの製品は、wi-fiに接続した様々な家電を操作できるアダプター「HotaluX LINK(ホタルクスリンク)」を内蔵したシーリングライトだ。壁にシーリングライトのオン・オフを切り替えるスイッチがない環境では使用することができないので注意しよう(そんな部屋は少ないと思うが)。
『HLDZ06L259』の適用範囲は6畳で、Amazonでの購入価格は6,880円。
届いた段ボールの中には本体、カバー、アダプタ、リモコンが入っていた。


<導入手順>
シーリングライトを設置する
『HLDZ06L259』の取り付けは以下の手順で行う形となる。
<設置手順>
①天井にアダプタを取り付ける
②本体を取り付ける
③コネクタを接続する
④本体カバーを取り付ける
基本的には一般的なシーリングライトとあまり変わらないと思うので、説明書を見ながらやれば難しいことはないかもしれない。

が、筆者の場合は②の本体を取り付ける際に、つまづいた箇所があったので注意点を書いておく。まず、本製品の説明書には設置可能なアダプタが5種類記載されているのだが、いずれの場合も①の取り付け方はまったく同じだ。天井についている配線器具にアダプタを挿し込み、右方向にカチッと音がするまで回そう。

続く②の手順では、本体を天井に押し上げながら取り付けて固定するのだが、この時、カチッと音が1回鳴るまで押し上げるのか、カチッカチッと音が2回鳴るまで押し上げるのか、アダプタの種類によってやり方が異なるのだ。

ほとんどのアダプタ種類(角型引掛シーリング、引掛ローゼット、丸型引掛シーリング)は2回押し上げるタイプのため、筆者もカチッカチッと音が2回鳴るまで押し上げようとしたのだが、何回やってもカチッと1回しか音が鳴らない。もう少し強く押し上げないといけないのかと思い、ぐっと力を加えてみても一向に音が2回鳴る気配はない。天井板が少し反り曲がって、これ以上力を加えると壊れてしまいそうになった頃に、「ようやくおかしいのでは?」と思い説明書をよく見ると、筆者の家のアダプタ形状は音がカチッと1回しか鳴らない「引掛埋込ローゼット」タイプであることが判明。危うく天井に穴を開けるところだった。

天井のアダプタ形状を確認しなかったり、説明書をさらっと流し読みしていると、同じような事態に陥る人がいるかもしれない。②の手順を始める前に、「自宅の天井のアダプタ形状がどのタイプなのか」「本体を押し上げる時に音が1回鳴れば良いのか?2回鳴れば良いのか?」しっかりと確認を怠らないようにしよう。
シーリングライト本体の取り付けが終わったら、①で取り付けたアダプタと②で取り付けた本体、それぞれから伸びているコネクタを接続する。
最後に本体にカバーを取り付ければシーリングライトの設置は完了だ。


専用アプリをインストールする
設置したシーリングライトをAlexaと連携するには、事前にHotaluXの専用アプリ『HotaLINK(ホタリンク)』をスマートフォンにインストールしておく必要がある。

まずはスマホをWi-Fiの2.4GHzに接続しておこう(5GHzはNG)。iPhoneならApp Store、Android端末ならGoogle Playにアクセスして、「HotaLink」のアプリを入手。インストールが完了したらアプリを起動してアカウントを登録する。途中で「HotaLinkがローカルネットワーク上のデバイスを見つけることを許可しますか?」「Bluetoothデバイスを探すことを許可しますか?」と聞かれるのでいずれも許可しておこう。



続いてはアプリとシーリングライトを接続するペアリングの作業だ。アプリホーム画面の右上にある+ボタンから「デバイスの追加」>「家電リモコン」の順にタップしよう。


次に部屋の壁についている照明スイッチで電源を入れて、10秒後に電源を切り、その後にまた電源を入れてアプリで「次へ」ボタンをタップする。

その後、壁スイッチで電源のON/OFFをカチカチッと5秒以内に7回繰り返すとライトが緑色に点滅するので、アプリの「ステータスLEDが速く点滅していることを確認してください」 にチェックを入れて「次へ」ボタンをタップ。
しばらくすると、アプリに「家電リモコン」が検出されるので、+ボタンをタップする。最後にスマホが接続している2.4GHzのWi-Fiネットワークを選択してパスワードを入力。「次へ」ボタンをタップして家電リモコンが正常に追加されれば、ペアリング作業の完了だ。

なお、アプリをインストールしたら必ずファームウェアの更新をしておこう。
初回の更新は少し時間がかかるが、アプリの「ホーム」>「家電リモコン」>右上の編集アイコン>画面下部にある「機器のアップグレード」から行うことができる。
その際、自動アップグレードにチェックを入れておくと、以降は勝手に更新してくれるので設定しておくと良いだろう。

アプリにリモコンを登録する
続いてはシーリングライトをHotaLinkのアプリから操作できるようにリモコンの登録作業を行う。
アプリのホーム画面から「家電リモコン」>「リモコンパネルを追加する>「ライト」の順にタップして、家電メーカーの中から「HotaluX / NEC」を選択。




リモコン種類の一覧画面が出たら、シーリングライトの付属リモコンに記載されている型番を選ぼう。
すると、アプリにリモコン画面が表示されるので、実際に画面をタップしてシーリングライトを操作できるか確認。
問題がなければ画面右上の保存ボタンをタップしてアプリへのリモコン登録は完了だ。

これで、HotaLinkのアプリからシーリングライトのオン・オフを切り替えたり、明るさを調整したりすることができるようになる。
シーリングライトにはリモコンが付属しているので、わざわざスマホのアプリで操作することなどあるのだろうかという気もするが、例えば外出先から消し忘れた自宅の照明を消したり、旅行中の防犯対策として夜間に照明を点灯させて在宅を装う、といったような使い方があるかもしれない。
HotaLinkアプリの初期設定は基本的にここまででOK。
その他にも「ホーム」>「プロフィール」>「グループの管理」から住居登録を行うと、スマホの現在地に合わせて自動でシーリングライトを制御することもできる。例えば家に帰ってきた時に明かりが点灯していて欲しい、みたいな場合には利用してみるといいだろう。
Alexaと連携する
HotaLinkアプリの初期設定ができたら、次はいよいよAmazon Alexaとの連携だ。
事前準備として、Alexa機能を搭載したAmazon Echoなどのスマートスピーカーを用意しておこう。筆者の場合はコンパクトなEcho Pop (エコーポップ)を購入した。

通常価格は5,980円だが、2024年のブラックフライデーでは2,480円で販売されていたので、セール価格の時に入手しておくと良いだろう。スマートスピーカーを用意したら電源を入れ、スマートフォンにAlexaアプリをインストールしてAmazonアカウントでサインインを行い、デバイス(今回の場合はEcho Pop)を追加してセットアップを完了させておこう。
その後、HotaLinkのアプリでプロフィール画面にアクセスすると、サードパーティ音声サービスとしてAlexaのロゴが表示されているので、そこをタップ。

次の画面で「Amazonアカウントでサインイン」をタップして、HotaLINKとAlexaをリンクすれば連携が完了する。これでようやくシーリングライトを音声操作するための準備が整ったことになる。大変お疲れ様でした。


<使い方>
音声操作のやり方
では、スマートスピーカーに対し、どんな言葉で呼びかけて操作すればよいのか。
本製品の場合はHotaluX側で音声操作のフレーズがあらかじめ用意されている。

例えば、シーリングライトを点灯させたい場合は、「アレクサ、電気をつけて」とスマートスピーカーに話しかければ良い。
ところが、だ。試しに「アレクサ、電気をつけて」と呼びかけてみたところ、アレクサが「N4222ですか?」と聞き返してきた。「N4222」とは、先ほど設置したシーリングライトに付属しているリモコンの型番のことだ。

しかし、家の中にはAlexaで音声操作できるシーリングライトは1個しかない。なぜそんなことを聞いてくるのだろう。
違和感を抱きながらも「はい」と答えると、アレクサが「分かりました」と言った後にシーリングライトが点灯した。
「アレクサ、電気を消して」と呼びかけた場合も同様で、どうやら音声操作をしようとするたびに「N4222ですか?」と対象機器を聞いてくるようだ。
「N4222」という名称はHotaLinkのアプリ上で「寝室のシーリングライト」のように変更することもできるが、音声指示を出した後に毎回「寝室のシーリングライトですか?」と聞かれて「はい」と答えなければならないのは流石にストレスだ。音声操作するのを止めたくなってしまうレベルではないだろうか。
Alexaの定型アクションを活用
何か回避策があるはず…と思いながら試行錯誤した結果、この問題を解決してくれたのがAlexaの定型アクション機能だ。定型アクションとは、Alexaアプリで事前に好きなフレーズと実行アクションを登録しておくと、そのフレーズを言うだけで実行してくれる言わばAlexaのショートカットのような機能だ。
Alexa定型アクションの登録方法
定型アクションを登録するには、まずスマホでAlexaアプリを開き、右下にある「その他」タブから定型アクションに進もう。


そこでマイ定型アクション画面の右上にある+ボタンをタップすると、アレクサに覚えさせたいフレーズやアクションを登録することができる。

フレーズの登録方法は「新しい定型アクション」>「実行条件を追加」>「音声」から、アクションの登録方法は「新しい定型アクション」>「アクションを追加」>「スマートホーム」>「シーリングライトのデバイス名」からそれぞれ登録することが可能。照明のオン・オフだけでなく明るさの調整も音声操作できる。

フレーズは1つの定型アクションに対して複数設定できるため、例えば電気を点灯させたい場合は、「電気つけて」「電気をつけて」「電気オンにして」といった具合に、自分が言いそうなフレーズをいくつか登録しておくと、音声操作する時の言い方が少し変わっても同じ処理を実行してくれるのでおすすめだ。

Alexa定型アクションの注意点
ただし、フレーズの登録方法には注意したい点がある。
フレーズに平仮名を多用していたり、使用頻度の低い漢字が含まれていると、正しく実行してくれないのだ。
例えばシーリングライトを点灯させるフレーズを登録する場合、「電気つけて」だと点灯するが、「でんきつけて」「でんき点けて」「電気点けて」だと点灯しない。
消灯させるフレーズを登録する場合は「電気消して」だと消灯するが、「でんきけして」「でんき消して」「電気けして」だと消灯しない。

これは「電気をつけて」「電気を消して」「電気オンにして」「電気オフにして」「電気をオンにして」「電気をオフにして」などのフレーズでも同じだ。音声操作が正常に実行されない場合は、登録したフレーズの文字を丁寧に見直してみると良いだろう。
使ってみた感想
シーリングライトを音声で操作するようになって1ヶ月ほど経過したが、リモコンがなくても寝転びながら電気を消すことができるのはとても快適だ。
朝起きた時も寝ぼけまなこでリモコンを探す必要がなく、布団にくるまったまま「アレクサ、電気つけて」と言えば照明をつけてくれる。

また、Amazon Echoがあればタイマーやアラームなどもかけられるので、寝室とAlexaの相性の良さを日々実感しているところだ。
まとめ
今回紹介したHotaluXのシーリングライト『HLDZ06L259』は2024年モデルの6畳タイプ。
購入前はどのシーリングライトにするかあれこれ悩んでしまったが、製品が届いた後は設置や設定でそれほど難しい作業はない。
国内メーカーから発売されているAlexa対応のシーリングライトを探していて、比較的安価な製品を求めている人には向いてるのではないかと思う。
Q&A
HotaluX、HotaluX LINK、HotaLinkの違いは?
HotaluX(ホタルクス)は日本の電機メーカーの会社名。HotaluX LINK(ホタルクスリンク)は同社が販売している家電リモコンを搭載したシーリングライトアダプターのこと。HotaLINK(ホタリンク)はその家電リモコンを操作するアプリケーションの名称だ。
6畳のシーリングライトしかないの?
HotaluXのAlexa対応シーリングライトは6畳タイプ『HLDZ06L259』の他にも、8畳タイプ『HLDZ08L259』、12畳タイプ『HLDC12L258』などがある。それ以外のHotaluX LINK対応機種はHotaluX LINKの公式ページより確認することができる。
PanasonicのAlexa対応シーリングライトは?
Panasonicでは「ライフコンディショニングシリーズ」のLEDシーリングライトがAlexaに対応している。種類はスピーカー搭載・パネルタイプ、スピーカー搭載・丸型タイプ、丸型タイプ(枠付き)、丸型タイプ(プレーン)などがある。
アイリスオーヤマのAlexa対応シーリングライトは?
アイリスオーヤマでは「スマートスピーカー対応シリーズ」のLEDシーリングライトがAlexaに対応している。種類はウッドフレームタイプ、クリアフレームタイプ、フラットタイプなどがある。
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