BOSEのスピーカーといえば、臨場感のある重低音が特徴的だ。
筆者は以前から、BOSEのBluetooth対応スピーカー『Soundlink mini ii(サウンドリンク ミニ 2)』を愛用していたのだが、ある日突然、充電ができない事態に陥ってしまった。

しかしその後、割と簡単に解消することができたのでその手順を書いておく。無料で出来る方法なのでぜひ試してみてほしい。
Bose Soundlink mini iiとは
ボーズ サウンドリンクミニ2は、2015年~2019年に発売されていた小型のワイヤレススピーカーだ。

重量がわずか680gと、手のひらに乗せられるコンパクトなサイズ感ながら、深みのある重低音とクリアで高音質な中高域サウンドを実現。
フル充電しておけば10時間ほど連続再生できるため、家の中でも手軽に場所を変えながら音楽を楽しめるほか、車に積んでおいてカーステレオとして使ったり、カバンに入れて旅行先へ持って行ったり、キャンプやバーベキューでBGMを流したりと、さまざまなシチュエーションで使える便利なスピーカーだ。
ワイヤレスイヤホンと違って、ずっと音楽を流しておいても耳が疲れないので、筆者の家でもほぼ毎日使っている。
いきなり充電できなくなった
ことの発端は、購入から2年ほど経ったある日の夕方のこと。いつものように充電ケーブルを差したところ、突然電源LEDランプが赤色に点滅を始めたのだ。このスピーカーの電源ランプは通常、充電している時はオレンジ色に点滅し、充電が完了すると緑色に点灯してから消灯する。赤色に点滅するのを見たのは今回が初めてだった。
最初は、「しばらくするとオレンジ色に変わるだろう」と思って放置しておいたのだが、1〜2時間ほど経ってもランプの色に変化がない。試しに充電ケーブルを抜いて電源ボタンを押してみたが電源は入らない。どうやら充電がゼロの状態らしい。
その後、何度ケーブルを抜き差ししても赤色の点滅にしかならない。つまり、充電ができず電源も入らない状態というわけだ。

当日のお昼ごろには普通に音楽を再生できていたので、突然の事態に困惑してしまったが、もしかしてバッテリーが寿命を迎えてしまったのだろうか。しかし、購入時の価格は24,000円ほどで安物のスピーカーというわけでもないため、2年で使えなくなってしまうのはさすがに早すぎる。あと数年は稼働してほしいところだ。
バッテリーエラーの対策7つ
公式サイトで電源ランプの仕様を調べてみたところ、赤色ランプの点滅はバッテリーエラーであることが判明。バッテリーエラーが起こった場合の対策として、以下の7つのアクションが推奨されている。
<バッテリーエラー対策>
①コンセントに問題がないか確認する
②充電器が要件を満たしているか確認する
③充電ケーブルを接続し直す
④別のUSBケーブルを試す
⑤別の充電器を試す
⑥製品をリセットする
⑦ファームウェアを更新する
まずは簡単にできる①〜⑤までをやってみたが問題なし。
⑥も電源ボタンを10秒間押し続けるだけでリセットできるのでやってみたが、やはり効果はなかった。
ファームウェアの更新
最後にやってみたのが⑦のファームウェア更新。バッテリーの電源が入らないのにどうやってファームウェアを更新するのかと思ったが、別途PCにデータをダウンロードしておき、USBケーブルでスピーカーと接続して更新を行う仕組みのようだ。

<ファームウェアの更新手順>
①.PCで(http://btu.bose.com/)にアクセスする
②.Bose Updaterをダウンロードする
③.Bose Updaterをインストールして起動する
④.USBケーブルでPCとスピーカーを接続する
⑤.①でアクセスしたブラウザで自動的にアップデート開始


ダウンロードが完了したらBose Updaterを起動して、USBケーブルで端末同士を接続しよう。


ところが、途中で以下のメッセージが表示されてしまい、アップデートすることができなかった。要約すると「ご利用中のファームウェアは最新版です」ということらしい。

こうなるとお手上げだ。バッテリーを交換しなければならないのか。はたまた故障していて修理しなければならないのか…。しかし、ここで諦めてはいけない。
アドバンスモードに切り替える
筆者の場合はこの後、ファームウェア更新画面でアドバンスモードに切り替えたところ、アップデートを開始して結果的に問題を解消することができたので参考にしてほしい。アドバンスモード(Advanced mode)とは、言葉どおり高度な設定ができるモードのこと。上級者向けに用意されている機能のようなものだ。
アドバンスモードへの切り替え方法は簡単で、キーボードで「A」→「D」→「V」「↑」「↓」の順に打つだけ。すると、下記のように「Advanced mode」なるエリアが出現する。隠しコマンドか。

後はプルダウンで最新のバージョンを選択したら、「Update Now」をクリックするだけでOK。

すでに最新版のファームウェアを利用している場合でも、この手順でアップデートし直してみると解消できる可能性があるのでやってみよう。
アップデートが終わると、「ポーピー」とスピーカーから音が鳴る。続いて「ティラリラー」という音が鳴り、「バッテリーロー(Battery Low)」とお馴染みの声が聞こえてくる。やがて電源ランプの色がオレンジ色に代わってゆっくりと点滅し始めた。そう、ようやく充電中の状態に戻ったのだ。
なんだか非公式の裏技みたいだが、BOSE側で「Advanced mode」を用意しているのは事実である。にもかかわらず、公式HPにはこのやり方が書いてないのだ。なぜかは分からない。まぁ、以前のように充電ができるようになり、音楽も聞けるようになったので良しとしよう。
他の解決方法
Bose Soundlink mini2が充電できなくなった場合、筆者のようにアドバンスモードでファームウェアを更新したら解消できることもあれば、解消できないケースもあるかもしれない。そんな時のために他の選択肢も書いておきたいと思う。
特に「エラー状態のクリア」「48時間以上放置」の2つは無料で出来るので試してみてほしい。
エラー状態をクリアする
バッテリーレベルが変化しない場合や充電中にならない場合は、システムエラーが発生している可能性もある。
その場合は、まず前述したファームウェアの更新手順と同じように更新しよう。続いてPCとスピーカーをケーブルで繋いだ状態のまま、キーボードで「O」「P」「T」「↑」「↓」の順に入力する。すると、「Clear Errors」というボタンが出現するので、それをクリックしてエラーをクリアすると問題が解消することがある。
これは公式HPに書かれている方法なので、バッテリーエラーを示すランプの赤点滅は出ないけど、充電できないという場合は試してみると良いだろう。
48時間以上放置する
バッテリーを空っぽの状態にしてから48時間以上放置すると、内部がリセットされて再び充電できるようになった、という非公式情報もある。この方法では、それ以降エラーが出ずに使えている事例もあれば、初回エラーの時は解消したけど2回目のバッテリーエラー時には効果がなかったという事例もあるようだ。
直る根拠は少々薄い気もするが、こちらも手軽にできるのでやってみて損はないはずだ。
バッテリーを交換する
バッテリー交換は、部品を購入して自力でやる場合と、公式サポートに依頼する場合の2通りある。
自力でやる場合はサウンドリンクミニ2と互換性のあるバッテリー(部品番号:088772 088789 088796)がECサイトなどで4,000円〜5,000円ほどで販売されているので、これと交換する方法がある。しかし、バッテリーはスピーカーにハンダ付けされているので、ハンダを剥がす→部品交換→ハンダ付けし直すという作業が発生するためかなり面倒くさい。
一方、Boseの公式サポートに交換依頼する場合は11,000円ほどかかるようだ。
修理を依頼する
故障で修理を依頼する場合は、まず修理が可能な製品なのか、可能な場合はどれくらい料金が必要なのか、BOSEに問い合わせる必要がある。
ちなみに、BOSE製品の保証期間は基本的に購入日から1年間で、電源を使用しないパッシブ型スピーカーについては5年間。サウンドリンクミニ2は電源を使用するスピーカーのため保証期間は1年間しかない。
また、スピーカーの製品名がBose Soundlink mini2であっても、海外で販売されたモデルの場合は、日本では修理を受け付けてもらえないようなので注意が必要だ。具体例としては、コストコで購入したスピーカーが海外販売モデルであったため修理不可だったケースがあるらしい。
まとめ
本記事には時間やお金をかけずに出来ることもいくつか書いておいたので、まずはそれらを優先的にやってみることをお勧めする。
それでもバッテリー交換や修理で費用が発生するような場合は、別のスピーカーに買い替えるこも視野に入ってくる。Boseの似たような価格帯のスピーカーとしては『Bose SoundLink Flex Portable Speaker 第2世代』(19,800円)、『Bose SoundLink Revolve II Bluetooth Speaker』(30,250円)、『Bose SoundLink Home Bluetooth Speaker』(36,300円)などがあるので、修理・交換した場合と比較検討してみるとよいだろう。
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