外へ出かけている最中に、ふと「家のカギってかけたっけ…?」と気になったことがある人は少なくないだろう。

もしカギを閉め忘れていたら、家の中に他人が簡単に侵入できてしまうので、空き巣や盗聴などの犯罪に巻き込まれるリスクは高くなる。そう思うと、最初はどっちか分からなかったのに、段々と閉め忘れたような気がしてきて、不安な気持ちが大きくなってしまう。
そんな時、外にいながらカギを閉めたことを確認する手段があれば、悩みのタネをひとつ減らすことができるはずだ。
私もカギの閉め忘れが気になるタチだが、この前Amazonを眺めていたら、「ChecKEY2(チェッキー2)」という鍵の閉め忘れ防止グッズを発見。1,500円ほどで手に入るので試しに使ってみたところ、結構役に立っているので紹介してみたいと思う。

ChecKEYとは
ChecKEY(チェッキー)は、美和ロックという会社が開発したカギの閉め忘れ防止グッズだ。1945年創業の美和ロックは、建築用錠前の生産販売において国内シェア6割以上を誇るトップメーカーで、表面に「MIWA」の文字が刻まれたカギを見たことがある人も多いだろう。
2022年には「ChecKEY」の進化版となる「ChecKEY2」をリリースしている。

ChecKEY2は家のカギに取り付けておくと、カギを開けたり閉めたりする時に「表示窓」の色が変わる仕組みのため、施錠・解錠の状態をひと目で判別できる。例えばカギを施錠すると赤色に、解錠すると白色に切り替わるといった具合だ。

”例えば”としたのは、錠前の種類によっては赤と白の色が逆になるからだ。
私の家の玄関ドアはカギを左に回すと施錠、右に回すと解錠するタイプの錠前だが、これとは操作が逆になる家もあるだろう。その場合は表示窓の色も逆(白色が施錠状態)になるので、以降、記事内で表記する色は自分の家の錠前の種類に合わせて適宜読み替えてほしい。
ChecKEY2の内容物
ChecKEY2のパッケージを開封するとこんな感じ。左側にあるのがシールと説明書、右側にあるのがパーツ(本体+フタ)だ。

パーツが多くて取り付けるのが面倒くさそうに思うかもしれないが、これはカギの種類によって対応するフタが異なるためで、実際に使用するパーツは少ない。基本的には本体とフタ、2つのパーツでカギを挟み込む形になる。
ChecKEY2の取り付け方
ここからは家のカギにChecKEY2を取り付ける方法について解説していく。
といっても難しいステップはなく、作業自体は5分もかからないはずだ。必要な道具は細いネジを回せるドライバーが一本あればいい。
カギのタイプを確認する
ChecKEY2は美和ロックが製造販売しているカギのうち、持ち手部分が以下のデザインと同じものに取り付けることができる。

該当するカギの製品シリーズは「U9/URキー」の旧製品と現行品、および「PR/PSキー」で、いずれも「MIWA」の文字が刻印されているカギが対象だ。ただし、カギを縦向きに挿し込むタイプの鍵穴や、ドアノブの中に鍵穴がある場合は使用できないので注意しよう。
自分の家のカギがA〜Dどのタイプなのかを確認できたら、パーツの中からChecKEY2の本体と、カギと同じタイプのフタ(A〜D)を1個ずつ取り出そう。


フタにカギをセットする
続いてカギのフタを平面に置き、その上からカギをセットする。カギの向きはMIWAの刻印が上になるようにして、リング穴がフタの凸部分にハマるようぐいっと押し込んでいく。

本体にカギをセットする
あとはカギの上からChecKEY2の本体を重ね合わせて、ひっくり返し、ドライバーでネジ止めすれば取り付け作業は完了だ。ネジはのサイズはかなり小さいので、小型のドライバーを使うと締めやすいしれない。


動作確認をする
ChecKEY2の取り付けが終わったら、実際に玄関ドアのカギを開け閉めして、表示窓の色が切り替わるか確認してみよう。

先ほども述べたが、施錠・解錠した時の色は錠前のタイプによって異なるので、自分の家の場合は何色になるのか、しっかりと確認して覚えておく必要がある。カギが回らなかったり色が変わらない場合は、フタの種類が間違っている可能性があるので、取り付け手順①に戻って再確認してみた方が良い。
基本的な取り付け作業は以上で完了だが、必要に応じて色の見間違いを防止するシールを貼ることもできる。
シールを貼る(任意)
施錠・解錠した時の色を忘れてしまいそうな場合には、ChecKEY2の本体裏側に付属のシールを貼るといいだろう。

右回しで施錠するタイプのカギは上部2つのシールを、左回しで施錠するタイプのカギは下部2つのシールを貼ればOK。外出先でChecKEY2の表示窓を見て「あれ?どっちの色が施錠だっけ?」と分からなくなった時でも、このシールを見ればカギをかけたかどうか一目瞭然だ。
カギにシールを貼ったままにするのは抵抗があるという人は、最初シールを貼ったまま使ってみて、慣れてきたらはがすという使い方でも良いかもしれない。
施錠判定の仕組み
ChecKEY2は電気やセンサーなどを一切使用しない、完全にアナログなアイテムだ。それなのに何故カギを閉めたかどうか分かるのだろうか。
もしかして「施錠→解錠」するたび、順番に色が変わる単純な仕組みなのではないか。そうだとすると、いちど施錠し忘れただけで色の順番が変わってしまうので、カギの閉め忘れ防止グッズとしては使い物にならない。というわけで調べてみた。
普段あまり意識することはないけれど、カギを開けたり閉めたりする行為は以下の手順に分解できる。
①カギを鍵穴に挿し込む
②90度回して施錠/解錠する
③反対に回して元の位置に戻す
④カギを引き抜く
ChecKEY2を自宅のカギに取り付けてしばらく使ってみた結果、施錠する場合は「④カギを引き抜く」のタイミングで表示窓の色が変わることが分かった。②と③の手順をすっ飛ばして「①カギを挿す」→「④カギを抜く」だけやっても色は変わらない。施錠しようとしてカギを鍵穴に挿し込んだけれど、忘れ物に気づいたのでカギを回さずに引き抜いたとしても、色が切り替わってしまうことはないようだ。
一方、解錠する場合は「①カギを鍵穴に挿し込む」タイミングで表示窓の色が変わった。そのまま②〜④の手順に進んでも色は変わらない。しかしカギを挿し込むだけで色が変わるということは、カギを回さずに引き抜いても解錠したことになってしまうのではないか?と思ったが、なんとカギを回さずに引き抜くと色が元に戻った。
まとめると、施錠・解錠いずれの場合も「①カギを鍵穴に挿し込む」「②90度回す」という動作を経ていないと、色が切り替わらない仕組みになっているらしい。カギを抜き挿しするだけで誤った色が表示される心配はなさそうだ。さすがカギ業界のリーディングカンパニー。
家族がいる場合でも使える
家族といっしょに暮らしている場合は家のカギを複数人が持っているため、いつ誰がカギを回すか分からない。朝は最後に出かける夫がカギをかけて、夜は最初に帰宅する妻がカギを開ける、日によってはその逆ということもあるだろう。そのような場合でも正常にカギの施錠判定ができなければ実用的ではない。
ChecKEY2は「自分のカギで施錠したかどうか」を判定・確認するためのアイテムだ。そのため、配偶者や子供など他の家族がカギを開けたり閉めたりしても、自分のカギの判定結果には影響を及ぼさない。家族がいてもカギの閉め忘れ防止には十分役に立つだろう。
また、家族のカギにChecKEY2を取り付けた場合は、それぞれ自身が持つカギの操作に対してだけ施錠確認をすることができる。例えば夫・妻・息子・娘という家族構成で、全員のカギにChecKEY2を取り付ければ、各自が自分のカギを見て施錠確認することになる。子供たちは自分で施錠確認をしないと思われる場合は、大人のカギにだけ取り付けておけば良いだろう。
つまり、外出先でカギの閉め忘れを確認したい人のカギだけに取り付けておくのが、ChecKEY2の有効な使い方ということになる。
オートロックを解錠しても問題ない
マンションのエントランスにあるオートロックシステムには、家のカギと同じように、鍵穴にカギを挿し込んで回転させて解錠するタイプのものがある。

その場合、ChecKEY2を取り付けたカギでオートロックを解錠するとどうなるのだろうか。玄関ドアの施錠判定に影響はあるのだろうか。試しにやってみた。
結果は以下のとおり。
①解錠する前(赤色)
②鍵穴にカギを差し込む(白色)
③カギを回転させる(白色)
④カギを元に戻す(白色)
⑤カギを引き抜く(赤色)
途中で(白色)に変わったが、最終的には(赤色)のまま。 オートロックを解除しても、玄関ドアのカギは「施錠」されたままであるることを示す結果となった。帰宅時は「オートロック→玄関ドア」とカギを開ける行為が2度続くため、施錠判定の色が正常に機能するのか疑問だったが問題はなさそうだ。
<追記>
その後、使用していると「⑤カギを引き抜く」タイミングで、白色になることもあった。どうやらオートロックのカギを解除することに関しては、色が正常に切り替わらないこともあるようだ。説明書にはオートロックに関する言及がないので、おそらく使用を想定していないのだろう。とは言え、これによる実害は今のところない。オートロックを解錠する時点でマンションに帰ってきているので、このタイミングでわざわざ玄関ドアの施錠確認をする必要性はあまりないだろう。そして、玄関ドアを自分で解錠すれば正常な色に戻るので、オートロック解錠による色の変化は無視して構わなそうだ。
ChecKEY2の注意点
個人的にはChecKEY2を使ってみて概ね満足しているが、使用する時に気をつけなければならない点や、人によっては使いづらいと感じるのではないかと思われる部分もあった。その点についても書いておきたいと思う。
家族がいる場合は自分で解錠する
出かける時に自分でカギを閉めても、帰宅したとき家族に中からカギを開けてもらうと、ChecKEY2の表示窓は「施錠」を示す色のままだ。そして、翌日カギを閉め忘れて出かけてしまうと、本当は「解錠」されている状態なのに表示窓の色は「施錠」のままとなり、外出先で閉め忘れたことに気づくことができない。そのため、帰宅時は自分で解錠するクセをつけておいた方が良いだろう。
内部から音が鳴る
ChecKEY2の本体は振るとカチャカチャと小さな音が鳴る。イメージとしては内部で細かなネジが動いているような音だ。おそらく施錠・解錠を判別するための仕組みと関連しているのだろうが、この音は取り除くことができない。と言っても静かな部屋の中でカギを手に取った時に気づく程度の音で、ポケットやカバンに入れて外に出ればまず気づかないだろう。私も最初は気になったが、使っているうちに全く気にならなくなった。
チープな感じがする
ChecKEY2の質感は安っぽいプラスチック製といった感じで高級感はまったくない。カプセルトイの玩具のような手触り感だ。また、まるっとしたフォルムも野暮ったく、スタイリッシュさとは無縁なデザインと言っていいだろう。しかし、機能と価格を考慮すれば私的には許容範囲。そもそも家のカギなど他人に見せるものではないので、あまり見た目にこだわる必要はないというスタンスだ。
鍵に厚みが出る
ChecKEY2の本体とフタを取り付ける分、当然ながらカギに厚みが出てしまう。カギの中には最初から樹脂カバーがついているものもあるが、それよりもぜんぜんボリューム感がある。かさばるというほどの大きさでもないが、カギをなるべく薄いまま使いたいという人には気になるかもしれない。
FAQ
その他、読者が疑問に思いそうな事項をピックアップしてみたので参考にしてみてほしい。
1人で使っても効果はある?
ある。ChecKEY2は「自分のカギで施錠したかどうか」を表示窓の色でいつでも確認できる。他の人が玄関ドアを開け閉めしてもその判定結果は変わらない。
複数人で使っても効果はある?
ある。家族がいる場合は個々のカギにChecKEY2を取り付けておけば、それぞれが自身の持つカギに対して施錠確認ができる。
家族が施錠したかどうか分かる?
分からない。ChecKEY2はあくまで「自分が持っているカギで施錠したかどうか」を判別できるアイテムだ。家族のカギにChecKEY2を取り付けても、そのカギで施錠したかどうかが分かるのは、カギを持つ本人だけだ。
家のカギに取り付けられるか確認できる?
本記事に記載したカギのタイプを確認するの項を参照してほしい。また、美和ロックの公式HPには簡易取付チェックコンテンツが公開されているのでこちらも参考になるだろう。
樹脂カバー付きのカギでも使える?
使える。既存の樹脂カバーを外して代わりにChecKEY2を取り付けることが可能だ。詳細は製品に同包されている説明書に記載されている。
ICチップ入りの非接触キーでも使える?
使える。ChecKEY2にはICチップを入れる専用タグと、キーリングが付属している。手順としては、既存のカギからICチップを取り外して専用タグに移し替え、そのタグを付属のキーリングでChecKEY2本体に取り付ける形となる。こちらも詳細は製品に同包されている説明書に記載されている。
鍵穴が2つあるドアでも使える?
上下に2つの鍵穴があるドアで、かつ鍵穴の方向が同じであれば使うことができる。上下で鍵穴の向きが違う場合は使えない。
他のカラーやデザインはある?
無地のブラック・ホワイト以外には、すみっコぐらし、ムーミンなどキャラクターがデザインされたChecKEY2もある。ブラックとホワイトはAmazonや楽天などのECサイトでも購入できるが、キャラクターデザイン版は美和ロックの公式オンラインショップ(MIWA Direct)でしか販売されていない。
他にカギの閉め忘れ防止グッズはある?
表示窓の色が変わるグッズの他には、スマートフォンを使って施錠や解錠ができるスマートロック、カギをかけるとメロディが鳴って教えてくれるチャイムなどがある。
まとめ
発売元の美和ロックによると、空き巣被害の約4割がドアや窓のカギの閉め忘れが原因らしい。
ChecKEY2は取り付け方や使い方が簡単で、導入コストも大したことはない。手軽にカギの閉め忘れ対策をしたい人は試してみるといいだろう。
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